今読んでいる本は、
2006年1月まで、日本版「ハーパーズ・バザー」の編集長を
務めた伊藤操さんの「私をみつけて」。80年代の
NYファッション業界を舞台にした小説。小説なんだけど、
伊藤さんの自伝のようなものでもあるのかな。華やかな
ファッション業界、ビューティフル・ピープルと呼ばれる
人々のやりとりをのぞいて、わくわくする。そして、その
煌びやかな世界に身をおきつつも、ジャーナリストとして、
ビューティフル・ピープルとのへだたりを感じる部分など、
ものすごく共感してしまう。まだ途中なのだけど、
ちょっとした時間、電車に乗った時、お風呂の中で、
数ページずつでも、必ずページを進めている。
いつもとってもお世話になっているプロデューサーの
ハツヤレイコさんが、本を読むことについて、こんなことを言っていた。「本を読むのは、
知識を増やすと思い勝ちだけどそうではない。生来、ひとが内包している潜在能力の
確認作業。読む事によって、自分のなかの自分を発見する。それが自信となって、
活きる事が楽しく思えるようになる。」
さて、それから、ここ最近読んでう―――ん、と唸った本。森達也さんのお書きになった「死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う」
。これは、先日、番組を
「死刑」というテーマで展開した際に、まず手にとった本。
実際、森さんにインタビューもさせていただいた。
ご本の12ページ、「少なくとも死刑を合法の制度として
残すこの日本に暮らす多くの人は、視界の端にこの死刑を
認めながら、(存置か廃止かはともかくとして)目を逸らし
続けている。
ならば僕は直視を試みる。できることなら触れてみる。
さらに揺り動かす。 余計なお世話と思われるかも
しれないけれど、でも実際に人が死ぬ。誰かが誰かを
殺す。誰かが誰かに殺される。そんな事態に対して
不感症でありたくない。
だからできるかぎりは直視して、そのうえで考えたい。死刑は不要なのか、あるいは
必要なのか。人が人を殺すことの意味は何なのか。罪と罰、そして償いとは何なのか」
と書いている。この本を読んで、日本の死刑制度に対して、本当に何も知らなかった
自分に直面する。ただ、来年5月からは、裁判員制度がスタートする。森さんは私との
インタビューで、「世界の国々で、死刑制度があって、なおかつ裁判員的な制度があり、
死刑判決に国民が絡む国は他にない。アメリカの場合は、ギルティORノットギルティで
死刑かどうかの判断はしない。だから、もっと知るべきだ。」とおっしゃっていた。
私もその通りだと思う。私は、あまりにも無知である。
勉強しないと、大至急、知る努力をしなくては、と思う。
そして、がらっと変わって「恋のトビラ」。
石田衣良さん、角田光代さん、嶽本野ばらさん
島本理生さん、そして森絵都さんの5人が、それぞれ
恋の短編ストーリーを寄せている。恋、かぁ。と思いながら
ぬるいお風呂の中で一気に読む。私は嶽本野ばらさんの
作品がとても好き。もともと嶽本野ばらさんは大好きな
作家さんで、「下妻物語」が映画化された時にインタビュー
させていただいた時は、嬉しくて、嬉しくて、一体何を
聞いたのか、まったく覚えていない。ただ、私は、
日々生活している中で、あぁ、手を抜いちゃってるなぁ、
気持ちが緩んでるなぁと自分自身に対して思う時、
いつも「パッチワーク」の中の1節を思い出す。
次に読む本はもう決まっている。どんどん、どんどん、読みたい。今はそんな気分。
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