幸せの実
「できることなら、もう1回やりなおして欲しい!」
「え――、私もです!何で今なの!?何でこのタイミングなの!?
って感じだったんですよ――!」と女たちが口を尖らす。
2008年の忘年会だったか、2009年の新年会だったかで取り交わされた会話。
確か、7人で飲んでいたのだけど、既婚女性2人の憤慨ぶりに、ふむふむ、へ――、
ほ――、と私を含めて、独身の他5人は徹底的に聞き役にまわったのを覚えている。
さて、一体何のことかと言うと、プロポーズの話である。
結婚を前提にマンションを購入し、同棲を始めたというHくんへのプロポーズ指南。
ちょっと、聞いてるの!?なんて目くじらを立てられ、ごにょごにょもごもごと
返事をにごし、所在無さげなHくんに、そうだよ――、ちゃんとロマンチックに
演出しなきゃ駄目だよ――と他のメンバーもにやにやと捲くし立てる。
経験者の2人によれば、結婚式よりプロポーズの方がずっとずっと大事らしい。
そんなもんかな。私も、自分でするよりは、相手にして欲しいと思うけど(って、
こんなことを書くと、そもそも結婚願望あったんだ――なんて言われそうだけど・・・)、
やりなおして欲しい!!って結婚してから7、8年経っても思うくらい
大事なことだったってことは、想像もしなかった。
・・・とまぁ、前段がつらつら長くなってしまったが、さっき、仕事から戻って、
家で苺を洗っていたら、そのHくんからの着信を知らせるバイブレーション。ブブブブ。
表示された名前を見た瞬間に、これから話す内容がなんとなくわかって、
もしもしの「も」ではなく、「お」を発する準備を整えてから電話に出る。
「おめでと――!」予想は的中し、結婚式は5月末だそう。ホントにおめでたい。
あ――でもない、こ――でもないと、いろんなプロポーズのシュミレーションを
させられたHくんが、結局どんな言葉で、どんな場所でプロポーズをしたのか、
聞くのが楽しみ。ふふふ。そう、そ
して、私はといえば、電話をきって、ぱくぱくと苺を
食べた後、ベランダガーデニングに精を出す。
今日、生放送をしていた「横浜開国博Y150」の会場で
いただいた苗木をせっせ、せっせと鉢に植え替える。
細――く弱々しい枝に、ほんの気持ち葉っぱのついた
ブルーベリーの苗木。横浜緑化運動の一環で、
イベント期間中に、150万本を配る予定らしいのだが、
1本じゃ寂しいからと、2本もらってきたので、
少し大きめな鉢に、寄り添わせてえ植える。
すくすく育ちますように。
甘くて美味しい実がなったら、Hくんにもおすそ分けしよう。
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